恵比寿駅の名前は、元々ヱビスビールを製造・発売していた日本麦酒醸造有限会社(現在のサッポロビール)の貨物専用駅だったことに由来しています。ヱビスビールが恵比寿駅に由来したのではなく、七福神の恵比寿様に由来したヱビスビールのほうが、先に誕生したというわけです。駅前にはいまでも恵比寿様が鎮座していらっしゃいますし、山手線の発車メロディーもビールのCMに使われた「第三の男」が使われています。ちなみに当初は漢字ではなく、「ゑびす」と平仮名の駅名だったそうです。
TokyoRentコラム
Vol.27 地名で読む街の歴史【恵比寿・代官山・中目黒編】 2007/11/21
感度のいいショップやレストラン、隠れ家風なバーなどが点在、大人の雰囲気が人気の恵比寿・代官山・中目黒エリア。山手線のほんのちょっと外側という便利さに加え、桜で有名な目黒川、夕景の見事な西郷山公園など、自然を感じられる場所も多く、オンもオフも充実した暮らしを実現してくれる場といえます。坂と高台の多いこの地域の、地形や歴史を感じさせる地名をご紹介しましょう。
恵比寿・代官山・中目黒周辺マップ
恵比寿
恵比寿様が鎮座する恵比寿駅前。夏にはここで盆踊りが開かれ、国際色豊かな顔ぶれが盆ダンスに興じる
代官山
中目黒
現在、駅前では再開発が行われている中目黒。今後ますます人気がアップしそう
猿楽町
6~7世紀末のものと言われる猿楽塚古墳。近くには渋谷区の史跡となっている古代住居跡もある
青葉台
山手通りにある青葉台1丁目の交差点。渋谷に向かって右が青葉台、左が東山に向かう分岐になっている
鎗ケ崎
右が恵比寿へ、左が中目黒へ、中央が代官山へ向かう旧山手通り。通り沿いにはショップやカフェなどが並ぶ
西郷山公園
高台の端に位置するため、開けた眺望が楽しめる。園内には20mもの落差のある滝もあり、カフェなども
東山
東山、かつての諏訪山など、この地域で山と名づけられた高台には今も広壮な一戸建てや高額分譲マンションなどが並んでいる
新道坂・けこぼ坂
新道坂から左右を見ると、周囲の土地の高低がよく分かる
けこぼ坂。目黒区役所周辺から山手通り方向を見たところ。坂の途中には坂の名を冠した小さな公園がある
目切り坂
目切り坂はヒルサイドテラスの横から始まり、目黒川方面へ続いている。曲がりくねった急な坂なので、車利用時には注意が必要
目黒の名物はさんま?筍?

目黒といえば、落語「目黒のさんま」が有名。区の図書カードのイラストがさんまだったり、毎年9月には「目黒のさんま祭り」が行われたりしますが、実は目黒は江戸時代、筍の産地としてそれよりもさらに有名でした。
現在もっとも多く食べられている孟宗竹は中国南部原産で、元文元年(1736年)に薩摩藩主島津吉貴が琉球(沖縄)から移入したもの。それが、江戸に入ったのは40数年後で、三田四国町の薩摩藩中屋敷に数株移植され、それをいたく気に入った幕府御用の廻船問屋山路治郎兵衛が品川戸越村にあった自宅近くに植えたのが、江戸での筍栽培の始まり。その後、鮮度が命と、江戸市中に近い目黒で栽培されるようになり、目黒不動の門前の茶屋で出される筍料理の評判から、広まっていったといいます。
残念ながら、昭和に入ってからは宅地化の影響を受け、筍栽培は減少の一途を辿り、いまでは名物「筍せんべい」などにその名を残すだけ。それでも、春先には西郷山公園や中央緑地公園、すずめのお宿緑地公園など、区内のあちこちで、筍の姿が見られます。生命の不思議ということでしょう。
- 中川寛子(なかがわひろこ)
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借りる、買う、貸す、建てるなど、住まいに関する雑誌、書籍、インターネットなどの編集に携わること20数年。
長らく表参道に暮らし、都心居住の快適さを身をもって実感している。All About「住みやすい街選び(首都圏)」ガイド。

