2000年代の住まいの設備をチェック(キッチン・水まわり)

住戸内の設備は生活を快適に、家事を楽にしてくれる大事な要素。どのような設備が一般的なのか、その使い勝手も含めて見ていきましょう。

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キッチン

【ディスポーザー】ゴミ出し不要、匂いゼロのキッチンを実現

ここ2~3年で普及が進んだ最新設備といえば、なんといってもディスポーザー。ディスポーザーとはシンク内の排水口に生ゴミを入れれば、シンク下の機械が細かく粉砕、下水に流してくれるというものです。これがあれば、ゴミ出しをしなくて済むのはもちろん、生ゴミのための三角コーナーは不要になり、当然、嫌な匂いやぬめりに悩まされることはなくなります。ただし、普及し始めた頃よりは音が小さくなったとはいえ、夜間の使用には注意が必要。最近では処理に1~2分しかかからない高速タイプなども登場しています。

(左上)シンク内のディスポーザー投入口。安全に配慮して蓋をきちんと閉めないと作動しない設計になっている
(右下)シンク下のディスポーザー本体。当然ながら、この部分にはモノは置けません

【食器洗浄乾燥機】家事を楽に、家族との語らいの時間が増える

ディスポーザーと双璧をなす、主婦に人気の設備が食器洗浄乾燥機。食器洗いのために席を立つことがなくなるので、食後の語らいの時間が増えるはずです。最新のものなら、数分から30分ほどで家族全員の食器を洗ってくれるますし、音も静か。出し入れのしやすい、機械自体が引き出し式になっているタイプがおすすめです。

【IHクッキングヒーター】火を使わない安全性が何より

ディスポーザー同様、IHクッキングヒーターも普及が著しい設備です。これは電気が磁力線を発生、それによって鍋を発熱させて調理を行う方式のコンロで、火を使わないため、火事の心配がなく、夏でも暑い思いをせずに料理できるのが大きなメリット。温度が均一に保たれるため、揚げ物のように、温度調節で味に差がでる料理も上手にできます。吹きこぼれしにくい上、トップが平らでお手入れがラクな点も忙しい主婦にはうれしいポイントです。

ただし、最近では使える鍋が増えたとはいえ、手持ちの土鍋や中華鍋などは使えない可能性もありますから、そのあたりは確認が必要です。また、電気の使用量が大きいため、一度に使えるのは2口までということが多いようです。

(左上)フラットで掃除しやすいIHクッキングヒーターに対抗して、最近はガスでもガラストップで手入れの楽なコンロが出ている
(右下)温度調整に加えてタイマー機能や、消し忘れ防止機能などもあり、安全な上に料理の腕をサポートもしてくれる

【ハンドシャワー付混合水栓】掃除にも調理にも便利

地味な存在ながら、使ってみると便利さがよく分かるという設備がハンドシャワー(スプレー)付混合水栓。ノズルが伸びるので、シンク内を隅々まで洗える、コンロに鍋をかけたまま、水や湯を入れられるといった点が評価されています。混合水栓はレバーを上下することで水量を、左右することで湯温を調節できますが、おすすめはレバーをあげて水を出すタイプ。下げて出すタイプだと、地震などでモノが落ちた時に水が出っぱなしになる可能性があるからです。

浄水機能まで一体化されたハンドシャワー付混合水栓。浄水器が別になっていない分、シンク内はすっきり

【浄水器】水のおいしい健康生活に必須

健康や味に気を使う人なら、あるとうれしい設備が浄水器。水栓の脇に専用の蛇口が用意されているタイプ、混合水栓と一体になったタイプなど、仕様はさまざま。中には、カートリッジ交換が必要なタイプなどもあるので、お手入れ方法やランニングコストについては確認が必要です。

【耐震ラッチ】安全確保の小さなキー

家事そのものには関係ありませんが、安全な暮らしのために欠かせないのが耐震ラッチ。キッチン上部の収納扉内部に付けられているもので、地震で揺れても鍋や食器などが飛び出してこないように、扉をロックしてくれます。ごく小さなものですが、安全のためには欠かせません。

鍋や食器類の散乱を防ぐ耐震ラッチ。ただ、これがあるといっても、キッチン上部に重いもの、割れやすいものを入れるのは避けたほうが無難

浴室・洗面所・トイレ

【フルオートバス】【浴室換気乾燥機能】浴室の基本設備

お湯張りから湯温や湯量調節、追い焚きがスイッチひとつでできるフルオートバスに浴室の換気と乾燥を行う機能はいまや必須ともいえる存在。コントローラーは浴室内だけでなく、キッチンにも用意されているので、浴室に行かずに入浴の用意ができ、忙しい主婦にはささやかながらもうれしい点。いつでも適温の湯に入れるのも、生活時間帯の異なる家族には喜ばれるはずです。

浴室換気乾燥機能は浴室内の換気と同時に、洗濯物の乾燥もできるというもので、雨の日や梅雨時には便利。ただし、乾燥機と違い、短時間で完全に乾燥するまでには至らないので、補完的な設備と考えておくほうがいらいらしなくて済みます。最近では冬場の入浴を快適にしてくれる、浴室を温めておく機能が付いているタイプもあります。

浴室内はもちろん、キッチンにもコントローラーが用意され、わざわざ浴室に行かなくても入浴の準備が整う

【大型バス】【ミストサウナ】【ジャグジー】進む浴室の多機能化

住戸内では一番の癒しスペースだけに、浴室にはさまざまな設備が用意されています。最近の傾向は浴室の大型化。中心は1620(洗い場とバスタブを合わせた浴室全体の幅が1.6m、奥行きが2m)というサイズで、大人が足を伸ばして入れるのはもちろん、子どもと一緒に入浴しても十分な広さ。もちろん、それ以上に広いタイプも出ています。

ミストサウナやジャグジー、浴室テレビ付きなどプラスαの設備が付いている物件も登場しています。設備ではありませんが、タワーマンションでは眺望を楽しみながら入浴できるビューバスのある部屋も少なくありません。ベッドルームが複数ある間取りでは浴室とは別にシャワーブースが用意されている物件もあります。

また、浴室に水はけがよく、手入れしやすい床材を採用している物件も目だって増えています。浴室以外でもトイレ、洗面所、キッチンなどにも同様に手入れしやすい、汚れがつきにくい素材を使う物件が多く、家事の省力化に役立っています。

水はけがよく、かびにくいのでお手入れが楽な床材を使った浴室。 段差が少なく、バスタブのまたぎが低い上に、手すりも設置されているので、子どもやお年よりにも安全

【ドラム式洗濯乾燥機】シングル、共働きには便利

ここ3年ほどで一般化が進んだドラム式洗濯乾燥機。洗面所に組み込まれているケースが大半で、脱衣後すぐに放り込めば、ランドリーバスケットは不要。天候を気にせずに洗濯できる点がシングルや忙しい共働きに人気です。

ドラム式洗濯乾燥機は省スペースになり、また、見た目がすっきりしていて、生活感が出ない点も人気

【ダブルボウル洗面化粧台】人数の多いファミリーに重宝

家族が多ければ、朝の洗面所はラッシュが必至。そこで便利なのがダブルボウルの洗面化粧台。2人並んで身繕いできる上に、鏡面裏や洗面台下などに収納が豊富な点も人数の多い家族向き。ただし、広さが必要なので、設置されている物件はまだまだ希少です。化粧台では浴室同様、曇り防止機能のついた鏡が一般的になっています。

【温水洗浄便座】一度使うと忘れられない快適さ

人によって利用する、しないは分かれるものの、一度使うとその快適さから必須設備と思うようになることが多い温水洗浄便座。最近では脱臭機能や抗菌機能機能付きも少なくないようです。

壁面に用意された温水洗浄機能のコントローラー。トイレ本体に設置されたものより操作しやすいのが特徴

【タンクレストイレ】トイレすっきり

背面にタンクのないトイレもここ3年ほどで急激に普及した設備のひとつ。トイレ内がすっきり見えるのはもちろん、手洗いボウルは別に設けられるため、便座や床に水が跳ねず、トイレ内の掃除がラクになるのもメリットのひとつです。

キッチンや水まわりの設備は家事の省力化に役立つものが大半。部屋を探すとき、下見をするときには、入居したらすぐに使いこなせるよう、使い方や注意点などを担当者に聞いておくといいですね。

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