より便利に、快適になる?2000年代に変わる首都圏の交通事情

首都圏、特に都心は日々変化しています。当然、それに合わせて交通網も整備が続けられています。ここではその中で、都心の暮らしをより便利に、快適にしてくれる鉄道、高速道路の新線情報をご紹介しましょう。

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【鉄道】都心を変える東京メトロ副都心線を含め、2008年前半には3路線が開業

2008年は新線・新駅の開業ラッシュといわれています。早いところでは3月15日にJR武蔵野線に新駅「越谷レイクタウン」が誕生、続いて3月30日には足立区の鉄道不毛地帯を解消する「日暮里・舎人ライナー」が開業、同じ時期にはJR横浜線中山駅と東急東横線日吉駅を結ぶ横浜市営地下鉄「グリーンライン」も開業となりました。

さらに、都心を大きく変えることになるといわれているのが6月14日に開業予定の東京メトロ「副都心線」。これは池袋駅と渋谷駅を結ぶ路線で、池袋駅からは東武東上線、西武有楽町線・同池袋線と相互直通運転が行われますし、2012年度には渋谷駅で東急東横線とも接続する予定です。それに合わせて東急東横線では渋谷駅~代官山駅間を地下化することになっており、渋谷駅前では現在工事が進められています。

渋谷駅周辺
渋谷駅近く、明治通りの下で地下鉄工事が続けられている

さて、副都心線の効果としてまず思いつくのは、山手線池袋駅~渋谷駅間の混雑解消です。山手線に加え、埼京線、そして新しく副都心線と3線が利用できるようになれば、現在の殺人的ともいえる混雑も多少は緩和されるだろうというわけです。同様にこのエリアの動脈、明治通りの渋滞解消も期待できます。また、埼玉県南西部と神奈川県横浜方面が都心経由で直接結ばれる意義も大きいといわれています。

もうひとつ、都心を中心に考えると、副都心線は各駅で既存路線と接続しており、地下鉄ネットワークがより便利になる点も見逃せません。例えば新宿3丁目駅から渋谷駅に行くためには、これまで新宿駅へ出て山手線利用でしたが、新線開業後は直通になります。明治神宮前駅から渋谷駅を経由して、東急東横線に乗り換えて横浜駅へという時も同様。いずれの場合も混雑する新宿駅、原宿駅、渋谷駅を利用しなくて済み、それもまたうれしいポイントといえます。

副都心線と都心主要路線の位置関係
副都心線と山手線、交差する地下鉄の位置関係を表わした概念図。関連する沿線のみを取り上げてある

もちろん、新しく駅ができる北参道駅やこれまで都電荒川線しか利用できなかった雑司が谷駅のように、ストレートに新線がそのエリアの利便性を大きくアップさせる場所もあります。いずれにしても今後、新宿区から渋谷区にかけての山手線内側エリアには変化が起きる、そう思ってもいいでしょう。

【道路】計画中の3環状のうち、中央環状線の完成が見えてきた

慢性的に渋滞の多い首都圏。その解決のため、国土交通省が音頭をとり、都や首都高速道路(株)などと進めているのが三環状道路です。これは都心を中心に3段階の環状線を作り、都心に入る必要がない車を迂回させることで渋滞解消を目指そうというもの。具体的には一番外側に圏央道、次に外環道、そして一番都心部近くに中央環状線という3路線になります。

3環状線の意味と役割は?
整備が進められている3環状線とその他の既存高速道路の位置関係を示す概念図

そのうち、ここに来て完成が見えてきたのが中央環状線。これは都心環状線の外側を走る路線で、すでに葛西ジャンクション~熊野町ジャンクションまでの区間は開業していましたが、さらに2007年12月にはそこから西側の首都高5号池袋線と4号新宿線間の7キロが開通。2009年度には3号渋谷線まで、そして2013年度には品川までの全線が開通する予定となっています。

この路線を使えば、渋滞の巣ともいうべき都心環状線を利用しなくても済むため、首都高速道路株式会社の試算によれば渋滞は2割減少することになるのだとか。特に4号新宿線の上り渋滞は大幅に緩和されるといいます。確かに三宅坂ジャンクションを通らなくて済めばずいぶんラクな気がします。他路線でも一の橋や浜崎橋、箱崎などを通る必要がなくなれば、仕事はもちろん、週末の行楽ももっと楽しくなるはずです。

道路ではもうひとつ、工事のため、頻繁に車線が変更されて走りにくく、渋滞が発生しやすかった山手通りが整備される点も挙げたいところ。歩道、並木なども整備されるそうですから、周辺の街の住みやすさもアップすることでしょう。

変化の激しい首都圏ですが、こうした交通網の整備が東京をより住みやすくしてくれることを願いたいものです。

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