首都圏を中心にしたカスタリアシリーズなどの物件で知られる大和ハウス・レジデンシャル投資法人は、保有する物件の稼働率が96%超と好調。選ばれる物件の秘密、条件をお伺いしてきました。
過去数年で稼働率が平均で5%以上アップ、その好調を支える要因は?
大和ハウス・レジデンシャル投資法人は首都圏を中心に数多くの賃貸マンションを保有する不動産投資法人。駅から5分以内という便利な場所に、シングル、働くカップル向けの60平米以内のコンパクトタイプの物件を多く供給しており、代表的なブランドであるカスタリアシリーズにはスタイリッシュなデザイナーズ物件も多数あります。都心に居住している人、したい人には聞き覚えのあるブランドかもしれません。その同社の物件の稼働率が上昇しています。
「各投資法人について数年前には稼働率90%前後が一般的で、95%が上限という時代でした。ところが近年、各投資法人の稼働率は上昇傾向で現在は平均96%で推移しています。この背景にあるのは、利便性の高いエリア、立地に供給をしてきたこと、そして入居者の満足度を上げるために各種の取組みを行ってきたこと、この2つだろうと思っています」(大和ハウス・アセットマネジメント株式会社 ファンドマネジメント部)。
立地によって異なるニーズを捕え、適切な物件を供給することがポイントに
ただし、利便性が高い場所、たとえば東京都心に立地してさえいれば稼働率が高くなるかと言えば、賃貸マーケットはそれほど単純ではありません。「同じ東京都心でも港区と中央区では全く事情が異なります。港区では比較的立地最優先で物件を選ぶ人が多いのに対し、中央区では同じような価格帯の物件が競合しているため、賃料、礼金その他の条件やサービスなどの差異が入居を決める際の大きな要因になっています。また、都心のみではなく、エリアの需要にあったグレードや間取り・設備がマッチするだけでその地域の人気物件となります」。こうした、立地ごとに異なる入居希望者のニーズ、周辺の相場や供給状況などに合わせた条件設定、サービスの提供が選ばれる物件を作っているというわけです。
「住めれば良い」から「より良いサービスを」、入居者の希望に耳を傾ける
もうひとつ高稼働率維持に欠かせないものは、入居者満足度を高め、長く入居していただくためのサービスや付加価値です。同社が行っている主な施策としては対象物件における「入居者向け24時間対応コールセンターの設置」「入居者専用のホームページ」「入居者へのアンケート調査」などが挙げられます。「入居者専用ホームページ」ではマンション内における法定点検(エレベータ・消防設備点検等)のお知らせ機能に加え、宿泊施設・映画・レジャーやリラクゼーション施設・スポーツ施設等国内外約2万ヶ所以上の施設で利用できる入居者専用の優待割引サービスの紹介も行なっています。映画好きの人などを中心にヘビーユーザーもいらっしゃるそうです。
※物件によりご提供するサービスは異なります。
「アンケート調査」では不満を聞いておしまいにするのではなく、解決できる問題にはすぐに対処、それを入居者に掲示している点が特徴です。「ゴミ置き場が臭うという声があった物件では特別清掃を実施し、駐輪場の放置自転車は廃棄処分するなど、できる手はすぐに打ち、それを掲示板で入居者へ報告しました。聞きっぱなしではなく、きちんと対応する姿勢をお見せし入居者に信頼いただき、長く住んでいただければと考えています」。
ちなみにこのアンケート、回収率が2割を越えており、入居者の生活環境への関心の高さが読み取れます。住めればどこでも良いというのではなく、賃料に応じた質の高いサービスを求めたい、そういう人が増えているということでしょう。
各種共有施設にシェアリング自転車、物件によっては外車のカーシェアリングも
最後に実際の物件を見せていただきました。訪れたのは『カスタリアタワー品川シーサイド』。りんかい線品川シーサイド駅から徒歩5分、京浜急行本線「青物横丁」駅、同「鮫洲」駅からも7~8分、海岸通りに面して建つ、築7年、25階建のタワーマンションです。周辺には巨大ショッピングセンター、公園があるほか、旧東海道の風情が残された商店街もあり、便利なだけでない暮らしが期待できます。間取りは1LDKから3LDKまで。地下2階にフィットネスルーム、18階にゲストルーム、19階にスカイガーデンと共有施設も充実しています。
おもしろいのは、こうした共有施設が当初から用意されたものではない点。「本物件は品川区の条例で地下に何も使われていない集会室があり、「入居者サービスとして何か使用できないか?」という発案から、法令等問題無いか各行政にヒアリングした結果、集会室を約1年前にフィットネスルームに改装しました。入居者からは使用料も頂いていません。入居者満足度が向上し、少しでも長い期間、ご入居頂ければと考えています」。
メンテナンスその他で現状を維持するだけでなく、入居者に支持されるよう、できるサービスはプラスしていくという姿勢。それが高稼働率に反映されているのでしょう。
サービスではもうひとつ、シェアリング自転車にも注目。この物件では自転車ですが、他物件ではカーシェアリングも導入されており、しかも、ミニクーパーやポロ、BMW、ジャガーと車好きならたまらない車種が用意されています(利用料は別途発生)。これだけで、住んでみたくなる人もいらっしゃるかもしれません。
都心ほど建て込んでいないため、眺望、日照に恵まれ、他の建物からの視線を気にしなくて良い部屋が多いのも特徴。部屋の向きによっては都心の夜景も望め、開放的でゆったりできる雰囲気です。聞かなければ築7年とは分からないほど、手入れが行き届いているのも印象的。「物件のコンディション維持・向上にはこだわっており、弊社の物件はどこよりもきれい」という言葉通りで、やはり、選ばれている物件には選ばれるなりの理由があることを実感します。
取材物件・取材協力
【取材物件】カスタリアタワー品川シーサイド
【取材協力】大和ハウス・レジデンシャル投資法人、大和ハウス・アセットマネジメント株式会社