都心の低層マンションの魅力を探る「ガーデン原宿」「パークハビオ麻布狸穴町」

都心の集合住宅と聞くと、規模の大きなタワーマンションをイメージする人も多いでしょうが、場所や間取り、造り、住環境にこだわるなら低層マンションや小規模なマンションもお勧めです。その理由を2つの物件からご紹介します。

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あの街に住みたい!低層、小規模な物件なら住宅地で探せることも

タワーマンションを始めとした大規模な物件は立地が限定されます。それなりの広さの土地があり、かつ建てられる地域でなくてはいけないからです。早くから開発されてきた都心の場合、まとまった規模の用地はなかなかあるものではなく、その意味では今後、都心の人気エリアにタワーマンションが建つ可能性はかなり低くなっているとも言えます。

また、その土地にどんな建物が建てられるかは用途地域、高度地区などといった都市計画法その他の要件で決められますが、低層、小規模なマンションは住居を中心にした住居専用地域であることが多く、住環境が良いのが特徴。そして都心では意外に道一本を隔てただけで用途地域が変わることがあり、便利なのに静かという土地が多く存在します。

たとえば、2014年1月に竣工した「ガーデン原宿」は多くのブランドショップが並ぶ表参道の通りから、ほんの200mほど入った場所ですが、第一種低層住居専用地域という最も住環境が尊重されるエリアに立地します。実際の現地は表参道の喧騒が嘘のように静かで、人通りも少なく、周囲には古くからお住まいであろう一戸建てなども点在。通り沿いしか知らない人からしたら、別世界のようなエリアでもあり、便利なのに静かという、この土地にしかない暮らしができます。

また、2014年2月に竣工した「パークハビオ麻布狸穴町(現:ディームス麻布狸穴町)」も同様に六本木通りからさして離れていない場所にありながら、静けさは特筆もの。ここは江戸時代には武家屋敷が並んでいたエリアで、隣りあう麻布永坂町と並び、歴史ある地名を堅持している街としても知られています。これは昭和37年以降に行われた町名改変にあたり、この地に住んでいた文化人、財界人が反対運動を繰り広げたためで、今でこそ理解されるようになった地名の意味を、当時から理解する人たちが住んでいたということが分かります。麻布狸穴町自体はごく小さなエリアですが、この物件はオープンから数日間で、100件以上の来場があったそうです。

コンパクトながら最大限に空間を利用。間取り、設備、デザインに凝った造り

ガーデン原宿

戸数が多くなると、どうしても似たような間取りが増えてしまいがちですが、規模が小さい場合には各戸にこだわった作りも可能になります。全41戸に対し、20タイプの間取りが用意されているガーデン原宿はその好例。

「フロアごとに床の色を変え、ドライエリアを利用した広いテラス付き住戸や壁面全体に収納を作りつけた部屋、室内にロフトのある部屋、吹き抜けやデンのあるメゾネットなどタイプが豊富にあります。また、洗面所、バスルームに窓のある部屋も多く、それもバリエーションのひとつとなっています」(ガーデン原宿 担当者)。

最上階の角部屋は、開放的なルーフバルコニーが特徴で、リビングからも富士山を見ることができます。低層でありながら、高台にある立地条件を活かしたからこその眺めを手に入れることもできるというわけです。また、これまで同社が手がけて人気の高かった要素を取り入れたというだけに、各部屋ごとに異なる魅力があり、どれにしようか悩んでしまう人がいるというのも納得。間取りは30m2台のワンルーム、1K・1LDKからカップル向けの1LDKにデンやウォークインクロゼットの付いたタイプまであり、ライフステージごとに内部で住み替えるのも楽しいかもしれません。

A1タイプ ワンルーム 29.61㎡
玄関から室内を横切って石張りが続く。自転車を持ち込んでテラスに置くことも
A2タイプ 1K 31.92㎡
壁面いっぱいに収納が作り付けられている。写真奥に見えるのは作り付けのデスク
共用廊下
建物内を貫く吹き抜けがあり、廊下にも光が入って明るい。床の色はフロアごとのインテリアとテイストを合わせてある

パークハビオ麻布狸穴町(現:ディームス麻布狸穴町)

外観、住戸内の設備、仕様にこだわったのが「パークハビオ麻布狸穴町」。「パークハビオシリーズはシングル&コンパクトをテーマにシャープな外観が多いのですが、今回はグレードを感じさせるコンクリートの打ちっ放し部分を作り、落ち着いた高級感のある雰囲気を演出しました。それに合わせ、室内の設備、仕様も、通常のパークハビオと比較してワンランク上のものが中心です。具体的にはキッチンや洗面台の天板に天然大理石を使用したり、独立トイレでは、ワンルーム、1Kでも、女性に人気の手洗い場を設けるなど、細部にまでこだわりました。家具をレイアウトしやすいように極力梁を少なくする設計にもなっています」(パークハビオ麻布狸穴町 担当者)。

パークハビオシリーズでは、三菱地所グループのデザイン会社を入れ、分譲物件並みにこだわりぬいたモデルルームを作るのが特徴ですが、この物件でもシングル男女、DINKSと3つの世帯を想定した部屋が用意されており、暮らしがイメージしやすいと人気とか。インテリアを考える際の参考としても役に立ちます。タワーマンションには上記のようなポイントに加え、居住者が少ない分、互いが顔見知りにもなりやすく安心感がある、エレベーターを利用する時間で短くて済み外出が楽など、タワーマンションにない魅力があります。

特に我が家での時間をゆったり楽しみたい人や、個性的な住まいで暮らしたい人には探してみる価値ありと言えるでしょう。

A1タイプ ワンルーム 25.05㎡
シングル男性の住まいをテーマに作られたモデルルーム。全室に位置を自分で変えられるレール付きのスポットライトが設置されている
Eタイプ 2LDK 52.43㎡
パリのアパルトマンをイメージしたDINKS向けのモデルルーム。天然石の対面キッチンなど使いやすい設備の入ったキッチンも魅力
麻布十番
老舗に混じって新しいセンスの店も増えている麻布十番。外国人度も高く、インターナショナルな雰囲気もある

取材物件・取材協力

【取材物件】ガーデン原宿、パークハビオ麻布狸穴町(現:ディームス麻布狸穴町)

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