こだわり派のための新ブランド 東京建物「Brillia ist」都心賃貸のキーワードは「洗練」「安心」「合理性」

2016年に120周年を迎えた不動産業界の老舗、東京建物株式会社が2017年11月に賃貸マンションの新ブランド『Brillia ist』をスタートさせました。多様化する都心居住者のニーズに応える住まいのキーワードは、「洗練」「安心」「合理性」。上野御徒町に誕生した第一号物件「Brillia ist 上野御徒町」を訪ね、その特徴を見学してきました。

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分譲に劣らぬ「洗練」「安心」に、賃貸マンションならではの「合理性」をプラス

東京建物といえば1896年(明治29年)に安田財閥(現在の芙蓉グループの祖)の創始者安田善次郎によって設立された老舗総合不動産ディベロッパーです。同社は住宅ローンの原型となる「割賦販売方式」を作った他、SPC 法(現・資産流動化法)の国内第1 号物件を推進するなど、先進的な経営で知られていました。

東京建物の住宅事業の歴史は、1960年代からマンション販売を始め、90年代には今でいうサービスアパートメントを経営、さらに2001年からは『Apartments(アパートメンツ)』シリーズとして本格的に都心の賃貸物件を手掛けてきました。50棟以上に及ぶ同シリーズの中には、中央区初となる『認定こども園』をはじめ、クリニックなど多数の子育て支援施設を有し、グッドデザイン賞を受賞した「アパートメンツタワー勝どき(現:Brillia ist Tower 勝どき)」などもあります。

順調に質の高さを評価されてきたアパートメンツシリーズですが、「アパート」という言葉のイメージと商品内容が一致していない、ブランド認知度が低いなどの課題があり、東京建物社内では、数年前からブランド名称の変更が検討されてきました。その結果、2003年より全国で展開しており、社会的な認知度や評価が高まってきた分譲マンションブランド『Brillia』のブランド名に、“ 自分なりのこだわり、自分らしさを大切にし追求する人 ”という意味を込めた「ist」をプラスした新賃貸マンションブランド『Brillia ist』を立ち上げることに。

特徴は大きく3点。「分譲マンション『Brillia』では、「洗練」と「安心」をブランドのコンセプトとして掲げておりますが、賃貸マンションにおいても、その部分は踏襲します。『Brillia ist』では、それらに加えて、キッチンのシンク上でも作業ができるよう専用の作業台を設置する等、都心の賃貸マンションの限られたスペースを合理的に利用できるように計画しています。ご入居者様に、快適な自分らしい暮らしを実現いただくために、細やかな配慮のある空間作りを目指しています」(東京建物株式会社 住宅賃貸事業部 賃貸住宅事業推進グループ主任 宮垣誠氏)。

Brillia ist(ブリリアイスト)シリーズ一例

様々なセキュリティシステム、ハンズフリーキーなど高い防犯性能

実際にどのような物件になるのかを2017年秋に誕生した「Brillia ist 上野御徒町」を例に見せていただきました。同物件は都営大江戸線・つくばエクスプレス新御徒町駅から徒歩5分に立地。東京メトロ日比谷線仲御徒町、JR御徒町駅・秋葉原駅や東京メトロ銀座線末広町なども利用できる足回りに優れた物件です。

「これまでのアパートメンツも都心の駅から10分圏内が中心でしたが、今後も利便性にこだわった立地で年間3~4棟の着工を予定しています。すでに計画が進んでいるBrillia ist 清澄白河(江東区)、(仮称)新宿区本塩町プロジェクト(新宿区)も駅に近く、忙しい毎日をサポートしてくれる場所です」(東京建物株式会社 住宅賃貸事業部 賃貸住宅事業推進グループ主任 劉天琦氏)。

日本でも有数の歴史を誇る佐竹商店街を抜けた住宅街にある同物件は、シンプルでスマートな外観が印象的。エントランスなどの共用部も含め、「洗練」がキーワードであることが頷けます。建物は12階建てで全33戸。単身者、カップル向けにワンルーム~1LDKが用意されており、これは今後の物件でも踏襲されます。物件規模は30~60戸を中心としつつ、大規模なものでは150戸程度の開発も検討しているとのこと。

Brillia ist 上野御徒町
分譲マンションではおなじみのロゴにすっきりした「ist」が添えられたマンション入口のプレート

そして、エントランスを入る時点で実感するのは第2のキーワード「安心」です。このキーワードには、防犯・防災の2つの要素が含まれます。エントランス、エレベーターホール、居室の3カ所に設けられたセキュリティは、防犯性能の高さを約束してくれるもの。しかも、エントランス、エレベーターホールは鍵を出さずに解錠できるハンズフリーキーです。荷物で両手が塞がれていても通ることができる快適さも備えています。

さらに、各戸の玄関全てにカメラ付きインターフォンが設置されており、エントランスで確認した訪問者を再度住戸前でチェックできる仕組み。安心の上にも安心を、という配慮がよく分かります。

エントランス
シンプルで落ち着いたたたずまいのエントランス。入って右手に管理員室がある
エントランス
都会的ながら、温かみのある帰ってきた時にほっとする色づかい
オートロック
ハンズフリーで解錠できるオートロック。分譲での導入は例があるが、賃貸ではまだ珍しい
エレベーターホール
エレベーターでもエントランス同様にハンズフリー解錠が可能
玄関前
エントランスで確認した来訪者を再度、玄関前でも確認できるようにカメラが設置されている

1階に防災倉庫、各戸に防災マニュアルなど災害の備えも万全

もうひとつの「安心」、防災への備えも複数用意されています。まず、1階には災害時に役立つ道具や備品が供えられた防災備蓄倉庫があります。置かれているものは救急キット、LEDランタン、ダイナモラジオライト、水やロープ、ヘルメットなど。1階にはAEDも設置されています。

続いてエレベータ内には、コンパクトながら多種の備品が納められた防災キャビネットが設置されており、万が一閉じ込められても安心です。

自室の備えは玄関から。地震で歪み、開かなくなることを防ぐ耐震ドアが使われており、室内には防災マニュアルが置かれています。ここには防災の心得、災害時の対処法のほかに、その物件の場合にはどこに備蓄倉庫、AEDがあるかなどといった個別の情報も用意されており、一読しておけば安心感が違ってくるはずです。

エレベーターに設置された防災キャビネット
災害時、エレベーター内に閉じ込められた時を想定して用意されている

使いやすさにこだわった、細かい気配り満載の室内

モデルルーム
1LDKは41.6平米。11畳大のリビングにウォークインクロゼットのある4.5畳の洋室となっている

3番目のキーワード、「合理性」は室内の各所に見ることができます。たとえば、玄関の壁にはコート掛けが用意されており、玄関ドアには外出前に全身を確認できる鏡が。下足入れの扉にはスリッパが掛けられるようになっているほか、傘立て、宅配時に便利な印鑑、ペンなどをしまう小物入れも内蔵されています。

洗面所では洗面化粧台の下部に体重計をしまっておけるスペースがあり、浴室の扉にはタオル掛けが2本。タオルを2種類、あるいはマットとタオルを掛けるなど、暮らしや用途に合わせて使い分けられるようになっているのです。もちろん、浴室には換気乾燥機能があり、浴室の暖房や洗濯物の乾燥、防カビ・結露防止などに効果的です。

昼間忙しい人にうれしいのは、室内に洗濯物を干せるよう物干し竿をセットできるリングが用意されていること。外に干さずに済み、花粉などを持ち込まないというメリットもあります。料理好きな人には可動式プレートを備えたキッチンカウンターも使いやすいところ。調理中はシンク上を作業台として使用することができるため、一人暮らしの限られたキッチン空間を好みに合わせてフレキシブルに使えます。

コート掛け
玄関に用意されたコートフック。使わない時はフックを畳んで置ける仕様
シューズクローゼットに設置された小物入れ
玄関回りには靴のみならず、傘やスリッパが収納できるようになっており、宅配便受け取り時に便利な印鑑やペンなどをしまう小物入れも用意されている
パウダールーム
浴室扉にはタオル掛けが2本。タオルやマットを同時に掛けられるなど用途に応じて使えるのが便利。洗面台下には体重計スペースも設けられている
浴室乾燥機
浴室には換気乾燥機が設置されている。バスタブも1LDKで1216サイズ、ワンルームで1116サイズと大きめ
室内物干し用リング
室内で洗濯物を干す時に便利なリング付き。雨の日に便利なだけでなく、花粉を室内に持ち込まないという効果も
キッチン
シンクの左側にあるのが移動可能なプレート。シンクを広く使いたい場合には外し、洗い物などを載せたり、作業スペースを作りたい時には載せて使う

各種割引などお得なサービスに、IoT化も推進予定

モデルルーム
ワンルームは26平米前後。天井までのクロゼットやピクチャーレールなども使いやすい

建物以外にも新ブランドならではのサービスがあります。それが2018年1月から始まる「Brillia istメンバーズ特典」。こちらは、分譲マンション『Brillia』で先行していた『Brillia』購入者限定サービスを賃貸マンションに住まわれる方向けに変更したもの。飲食店ではスマートフォンやタブレットを提示するだけでサービスを利用することができます。

「Brillia istメンバーズ特典」の中で特に大きいのは、新築分譲マンション『Brillia』を購入する際に、本体価格の0.5%割引を受けられることでしょう。賃貸マンション『Brillia ist』を気に入り分譲マンション『Brillia』の購入を検討する際に、嬉しいサービスです。

それ以外では、東京建物グループが手掛けるペットと泊まれるホテル『レジーナ』宿泊料割引やスーパー銭湯『お風呂の王様』無料招待券プレゼント(年1回)のほか、ハウスクリーニング最大20%割引など各種特典があり、インテリアや家事からレジャー、グルメまで、生活を幅広くフォローしてもらえそうです。

また、今後はIoTの導入なども検討をしていく予定とのこと。「荷物を持っていても鍵を使わずにドアを開けられるようにしたい、室内に入ったら自動で電気が付くようにして欲しいなど、様々なお客様のご要望や想いに先回りして応えるべく、当社ではマンション開発をしてきました。近年では、声だけで家電を操作できるようになるなど、技術が進歩することに伴い、お客様の要望も変化しています。できるところから少しずつ、ご入居いただく方にとって便利なサービスを今後も導入していきたいと考えています」(宮垣氏)。

こうしたサービスのうち、導入できるものについては既存の同社保有賃貸マンションに居住している人も享受できるようになっていく計画。2018年4月以降、少しずつブランド名の統一などが図られていきます。同時に新規物件も増えていくわけですから、住みたい街には必ず「Brillia ist」があるようになるかもしれません。

取材物件・取材協力

【取材物件】Brillia ist 上野御徒町
【取材協力】東京建物株式会社、東京建物不動産販売株式会社

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