大名屋敷と寺社が集まっていた地域
ゆったりとした時間の流れるお屋敷街
JR山手線目黒駅、同品川駅に挟まれた高台、それが白金、高輪エリアです。どちらの駅も駅周辺には商業施設、飲食店などが集まり、賑やかですが、そうした両駅の間にあるこのエリアはそのどちらとも似ていない、おっとりした雰囲気のある住宅街です。それもそのはず。このエリアは江戸時代には大名屋敷と寺社が集まる地域で、明治以降は皇族、華族の屋敷があった場所なのです。今でもこのエリア内には東京都庭園美術館(旧朝香宮邸)や明治学院大学、高輪消防署二本榎出張所などのように往時のクラシカルな風情を残す建物が点在、近代の建築散歩が楽しめる場所になっています。
シロガネーゼの集まるプラチナ通り
この地に住む女性がシロガネーゼと呼ばれ、注目され始めたのは意外に遅く、東京メトロ南北線が全線開通した2000年以降。現在、このエリアには東京メトロ南北線白金台、白金高輪の2駅がありますが、それまでは車あるいはバスを利用するしかない場所だったため、お屋敷街ならではの雰囲気が長く保たれていたのです。その雰囲気がもっともよく味わえるのが通称プラチナ通りと呼ばれる外苑西通り。レストラン、雰囲気のある蕎麦店、ブティックなどもありますが、店の数よりも特別なのは風格のある並木の佇まいそのもの。通り周辺には邸宅と呼ぶにふさわしい住宅も多く集まっています。
新旧の調和した落ち着きある暮らし
白金、高輪エリアにはかつてのお屋敷を利用した施設が多く残されています。代表的なのはかつて竹田宮邸だったグランドプリンスホテル高輪貴賓館。これ以外にも江戸時代の大久保彦左衛門、薩摩藩屋敷などの跡地を利用した八芳園や前述の東京都庭園美術館などもあります。
逆にこのエリアにないものがファーストフード店にパチンコ屋、消費者金融の看板などでしょうか。地下鉄開業以降、スーパーやドラッグストアなどは増えましたが、街の美観、環境などを損ねるような業種には白金、高輪エリアは敷居が高いようです。 新旧の調和した落ち着きある暮らし
古い街並み、建物が保存されている一方、新しい動きも見られます。たとえば、白金高輪駅のすぐ上には2005年に再開発では白金アエルシティが登場。42階建ての住宅棟、白金タワーを始め、オフィス、店舗などが生まれ、つて木造住宅、小規模な工場が密集していた地域が大きく変わりました。また、白金北里通りでは古民家を再生した風情のあるレストランが増加、人気を集めてもいます。この街では新旧がうまく融合、ゆったりした気分で暮らせそうです。