知的な雰囲気と歴史ある閑静な街
大名、華族の屋敷が集中した由緒ある地
新宿と聞くと繁華なイメージをもたれる方が多いでしょうが、区全体で見ると静かな佇まいの住宅地も少なからず広がっています。そのうちでも、かつてお屋敷が集中していたのが四ツ谷駅、市ヶ谷駅、飯田橋駅の西側にある高台エリアです。最も有名なのは現在の防衛省のある場所にあった徳川御三家の尾張藩上屋敷。江戸にあった大名屋敷の中では水戸藩上屋敷に次ぐ規模を誇っており、広さ7万5000坪余。標高も30m以上あり、安全な台地上に立地していたことが分かります。こうした大きな屋敷以外にも周辺に箪笥町、市ヶ谷鷹匠町、二十騎町など武士の役職に由来していた地名が多いことから地域の特徴が分かろうというものです。 江戸時代以降もこのエリアには華族と言われた人達のお屋敷が点在しています。特に多かったのはかつて牛込区と呼ばれた市ヶ谷から神楽坂、河田町などにかけてのエリア。ここには70軒以上のお屋敷があったとか。現在もゆったりした区画に、低層の住宅が多く、落ち着いた雰囲気は往時を忍ばせます。
病院、大学、教育施設の点在する知的な雰囲気
外堀を挟んだ千代田区側も含めて考えると、このエリアには病院や大学、教育施設が多く、知的な雰囲気があります。病院では東京女子医大病院、日本歯科大学病院、東京逓信病院などがあり、大学では東京理科大学、法政大学に前述の複数の医大も。私立中高などを考えると枚挙にいとまがないほどです。健康を気にする人にとっては安心できる地域ですし、子弟の教育を気にする人には選択肢の豊富な地域と言えます。 都心ならではの複数路線、幹線道路が利用できる利便性に加え、この地域ならではの楽しみが食の奥深さが味わえる神楽坂です。風情を感じさせる黒板塀の料亭から、ミシュランの星を抱く名店、各種エスニック料理店に路地裏の一杯飲み屋までが揃う幅の広さは他の繁華街にはないもの。グルメなら毎夜繰り出したくなってしまうかもしれません。
桜、水辺に歴史も楽しめる
もうひとつ、桜や水辺などの自然に歴史も楽しめるのがこのエリアの魅力。外堀通り沿いには桜並木があり、水辺には水面を眺めるカフェ。のんびりしたい人なら釣り堀で魚と戯れてみるのも手です。歴史を感じさせる風物といえば、神楽坂の路地が有名ですが、それ以外にも太田道灌が勧請したという市谷亀岡八幡宮や筑土八幡神社の古刹があり、赤城神社の秋の祭りも壮麗なもの。生活を豊かにしてくれるエッセンスがぎゅっと詰まったエリアというわけです。