新駅、再開発で変貌が期待される街
虎ノ門ヒルズ誕生で変わり始めたエリア
2014年6月の虎ノ門ヒルズ森タワー開業が大きな話題になったのは記憶に新しいところですが、これは始まりに過ぎません。今後数年をかけて虎ノ門・新橋エリアは大きく変わるのです。ひとつは交通の変化。現在、虎ノ門ヒルズ森タワーの西側にある桜田通りの地下では東京メトロ日比谷線の(仮称)虎ノ門新駅の工事が進められており、2020年の東京五輪開催前には暫定的に供用が開始される予定。2022年には完成することになっています。
また、2019年12月竣工予定の(仮称)虎ノ門ヒルズビジネスタワーの地下には大規模バスターミナルが計画されており、羽田その他への直行バスが発着することに。都心と臨海部を結ぶBRT(バス高速輸送システム)のターミナルとしても活用される計画で、新たな交通拠点が生まれます。
今後、虎ノ門ヒルズ森タワー周辺には3棟のタワーが建設されることになっており、住宅も全体で約720戸が含まれているとか。加えて生活をサポートする商業施設やスパなども予定されており、今後はこれまでオフィス街とされてきた街が住む街としても認識され、新しい形の職住近接が実現できるうようになってくるはずです。
虎ノ門ヒルズ周辺でも開発計画多数
虎ノ門ヒルズ開発の波は周囲へも広がっています。東京メトロ銀座線虎ノ門駅に隣接する場所では虎ノ門駅前地区第一種市街地再開発事業が計画されており、同時に虎ノ門駅のホームも拡幅される予定です。
また、虎の門病院と国立印刷局(本局・虎ノ門工場)、共同通信会館をまとめて再開発する虎ノ門二丁目地区再開発はすでに着工しており、2019年度には竣工予定です。さらに虎ノ門ヒルズ南西にある虎ノ門パストラル跡地の開発計画も進行中で、こちらにはホテルやショッピング施設が誕生するようです。虎ノ門・新橋エリアは古くから開発されてきた、築年数の経ったビルも多いエリア。こうした大型開発以外でも変化は始まりつつあり、数年後には全く違う街になっているかもしれません。
新橋の賑わい、愛宕の静寂も魅力
開発への期待、そして開発で生まれる現代的な街並みに加え、昔ながらの街が残されているのもこのエリアの魅力です。ビジネスマンの憩いの場として愛されて来た新橋の猥雑さ、創業100年を超す老舗もある奥深さ、桜、蝉時雨、紅葉と四季折々の自然が楽しめる愛宕神社の静寂など、並べて見ると他の街にない要素が多数揃っているのです。今後、そこに新しい賑わいが加わると考えると、より多様性に満ちた、住んで楽しい街になりそう。期待したいところです。