新駅、再開発で年々変化する街
工業地帯から利便性の高い住宅街へ
東京都心の大動脈山手線沿線の街はここ20~30年でどこも変化しています。しかし、そのうちでも最も大きく変わったのは五反田から大崎にかけてでしょう。1982年に東京都の副都心に指定されるまで、大崎駅は駅前近くまで工場が並ぶ工業地帯でした。ところが、1989年の大崎ニューシティの誕生以来、この地では延々と開発が続けられており、現在ではオフィスビルにタワーマンションが並ぶ、整然とした美しい街に生まれ変わっています。開発と並行して足回りも変化しました。2002年にりんかい線が全線開業、大崎は都心と湾岸を繋ぐ結節点となったのです。
山手線新駅、リニア新駅で変わる品川
大崎以上に今後、変化が期待されるのが品川周辺エリアです。というのは2つの新駅が予定されているからです。ひとつは田町駅との間にできる山手線新駅。2020年の東京五輪に合わせて暫定開業する予定です。もうひとつは2027年開業予定のリニア中央新幹線。この2つの新駅開業に合わせ、周辺では様々な再開発が計画されており、挙げ始めるときりがないほど。簡単にざっとまとめると、最も規模が大きいのは山手線新駅前に広がる13haを越す車両基地の再開発です。羽田空港が近いため、高度制限はあるものの、それでも160m程度のタワーが建てられる予定で、6街区に複数の住宅、オフィスや商業施設などが建ち並ぶことになります。 山手線新駅と向かいあうほどの距離にある京急・都営浅草線泉岳寺駅周辺では京急本社ビルの横浜移転に伴って空いた土地での再開発、泉岳寺駅の地下化、ホーム拡幅などの予定があります。京急では駅ビル「ウィング高輪EAST」や駅周辺にあるビル、第一京浜沿いにある「シナガワグース」や「ウィング高輪WEST」の再開発も計画しているとか。詳細は未定ですが、京急品川駅ホームを2階から1階に移し、現在の2面3線を2面4線にする計画もあります。西口ではリニア開業に向けて「品川プリンスホテル」「グランドプリンスホテル高輪」の再開発も噂されており、駅周辺の街並みが一新されることは間違いありません。
歴史ある街並みも隣接、住まいも多様
開発の話ばかりが続きましたが、このエリアの面白いところは開発地域に隣接して歴史ある街並みがあること。泉岳寺駅西側にある高輪エリアは古い寺社、宮邸などのある土地ですし、品川駅の南側には八つ山、御殿山といった歴史ある住宅地があります。さらに京急線に沿っては旧東海道が伸び、ところどころに往時を忍ばせる石垣や寺社がある他、宿場町らしい庶民的な雰囲気も。最近ではそうした下町的な賑わいが外国人観光客を惹きつけるようにもなっています。 そうした地域特性を反映し、住宅もタワーマンションから低層で小規模なマンションまでバリエーションが豊富。利便性で選ぶか、住環境で選ぶかなど好み、ライフスタイル、家族構成などで選び分けられる地域です。