【カッシーナ・イクスシー】日本発ブランド〈IXC〉の静謐と情熱に満ちたデザイン哲学「Emotional Minimalism」
TOKYO RENTが紹介する上質な住まい。そこに本当にふさわしいアイテムやサービスを通して「ラグジュアリー」を解き明かすスペシャルコンテンツ。
今回、TOKYO RENT編集部は、イタリアを代表する家具ブランド『Cassina』を取り扱う「カッシーナ・イクスシー青山本店」を訪れました。インテリアの歴史そのものであるような名作が揃うショールーム。その3階に、際立って静謐な一角があります。今回の目的地、日本で独自に誕生したブランド『IXC(イクスシー)』のエリアです。
たった1脚のチェアが部屋の雰囲気を決めることもあるデザイナーズ家具の世界で、IXCのプロダクトは存在を主張せず空間を律し、詩的でどこか日本的な普遍的な美しさを纏います。その背景にある哲学と、日本発のブランドとしてのアイデンティティを、カッシーナ・イクスシー レジデンシャル事業部の佐藤衣莉様、吉田彩乃様に案内していただきました。


IXCの哲学「Emotional Minimalism」とは
——IXCのエリアに入ると、空気が冴え渡ったように感じられます。ブランドが掲げる「Emotional Minimalism(エモーショナル・ミニマリズム)」という言葉には、どのような意味が込められているのでしょうか。そして家具にはどのように表現されているのですか。
佐藤:『IXC』で提唱する「Emotional Minimalism」とは、単なるシンプルさの追求ではなく、そぎ落とした造形の中に豊かな感情を宿すことです。木材やレザーの温もり、セラミックの冷ややかな質感など異なる素材を組み合わせることで、静けさの中に人の心を動かすディテールを生み出しています。文化や背景の異なる要素が触れ合い、境界を超えることで、ものの本質と感情が交差する体験を提供すること。この哲学は、2025年からIXC初のアートディレクターに就任したデザインデュオ「GamFratesi(ガムフラテージ)」が掲げたビジョンを、社内のプロジェクトメンバーが言葉にしたものです。
——ガムフラテージ。様々なブランドとのコラボレーションで有名なユニットですね。
吉田:彼らはデンマーク人建築家のStine Gam(スティーネ・ガム)とイタリア人建築家のEnrico Fratesi(エンリコ・フラテージ)による男女のユニットで、2006年にコペンハーゲンでスタジオを設立しました。
北欧の伝統的なクラフトマンシップと機能性、イタリアの情熱的で概念的なデザイン思考を融合させるスタイルで知られています。
イタリア家具ブランドのほかにも、北欧を代表するインテリアブランド、名だたるファッションブランドとも協働し、国際的な評価を得てきました。

佐藤:二人の個性も魅力的です。スティーネは緻密で思慮深いアプローチを得意とし、一方のエンリコは情熱的で大胆な発想を持っています。相反する性格が融合することで、静謐さの中に情緒が宿る独自のバランス感覚を生み出しています。活動の拠点であるコペンハーゲンのアトリエでは、アイデアをスケッチするだけでなく、実際に素材を扱い、試作を重ねながらデザインを探求しています。この環境が、彼らの作品に独特の奥行きと実在感を与えているのです。
「日本発ブランド」としてのIXCの独自性
——IXCのデザインは、インパクトに溢れるCassinaと比べて、ひそやかで優しく、どこか“和”を感じさせます。日本発のブランドであることも特徴と伺っています。
佐藤:IXCは日本の生活と文化に即したカッシーナ・イクスシーのオリジナルブランドです。日本発ブランドとしてのアイデンティティと強みをご紹介しましょう。
まずはデザインの方針です。無駄をそぎ落とした普遍的なフォルムと、タイムレスな佇まい。しかし、よく見るとフレーム部分の仕上げや脚部に配したレザーなどの優れたディテールに気が付くでしょう。ずっと触れていたい、眺めていたいような家具です。
吉田:素材は上質な無垢材とファブリック、耐久性に長けたセラミック素材を多く使うなど、経年変化とともにメンテナンスしながら時を過ごせます。
——特におすすめのIXCのアイテムをご紹介ください。
佐藤:特におすすめしたいIXCのアイテムは、ガムフラテージによる「PLATO プラトーコレクション」と「TOGE トーゲコレクション」です。まず「PLATO プラトーソファ」は、無垢材の脚部とステッチ入りレザーのベースを組み合わせた洗練されたデザインで、名前はフランス語の「PLATEAU=台地」に由来します。宙に浮かぶように見えるベースが空間に広がりと格調をもたらし、座ると身体を優しく包み込みます。
吉田:中央のローテーブルは滑らかな曲線を描くセラミック天板と木材の調和が魅力の「TOGE トーゲテーブル」です。オークやウォールナット、アッシュなどの木材と3種類のセラミックを組み合わせることで、空間ごとに異なる表情を演出します。エッジが柔らかく丸みを帯びており、空間に温かさと品格を添えます。


吉田:「TOGE トーゲテーブル」にはダイニングテーブルの展開もあり、ぜひ合わせていただきたいのが「LENDON レンドンチェア」です。美術館に置かれた椅子のように慎ましく、モールドウレタンを採用した座面は長時間座っていても疲れにくい仕様です。ファブリックと木材の選択肢も豊富で、家族やゲストを穏やかに迎え入れてくれるダイニングセットです。

——まさに「Emotional Minimalism」を体現したコレクションですが、今後の展開は。
佐藤:ガムフラテージがアートディレクターに就任したことで、IXCは独自の世界観を持つブランドに生まれ変わりました。私たちカッシーナ・イクスシーのオリジナルブランドとして、これから日本以外の国にも展開を予定しています。

エキスパートと創る、自分だけの部屋
——TOKYO RENTでご紹介しているような高級マンションにはどのように組み合わせますか?
佐藤:IXCの家具は日本の住宅に合う仕様で作られているため、サイズ感の面でも配置しやすいと思います。もちろん、IXCはCassinaの家具とも好相性です。Cassinaのアイコニックなアイテムをひとつ置いて、その周囲にIXCを。素材やカラーリングを選び抜いて調和させてはいかがでしょうか。
私たちカッシーナ・イクスシーでは、インテリアに精通したスタッフがお客様一人ひとりのライフスタイルに合わせ、洗練された生活をご提案するインテリアコーディネートサービスも提供しています。
カッシーナ・イクスシーだからこそ、家具、雑貨、ラグ、収納棚やキッチンなどもトータルでコーディネートできます。

——カッシーナ・イクスシーならではのサービスですね。
吉田:ご入居するレジデンスがお決まりになったあとに、カッシーナ・イクスシーのコーディネーターがケン・コーポレーションの担当営業員と連携して、必要なお部屋の情報、搬入経路を確認します。お客様にショールームにお越しいただいて、実際の家具を見ながらご提案プランを作る場合も多いですね。イメージがわきやすいよう、提案書とあわせて3Dパースでシミュレーションモデルも作成することも可能です。
いままでたくさんのお部屋をコーディネートしてきましたが、お客様のオーダーは千差万別で、求めるイメージもさまざま。だからこそ、このインテリアコーディネートサービスがきっとお役に立つと思います。

【カッシーナ・イクスシー】インテリアコーディネートサービス
ケン・コーポレーションのご契約者様へのご案内
株式会社ケン・コーポレーション(TOKYO RENTサイトの運営会社)のご契約者様に、カッシーナ・イクスシーのインテリアコーディネートサービスをご案内しております。詳細は担当営業員にお問い合わせください。
カッシーナ・イクスシーでは洗練された夢のある生活空間のご提案を通して、お客様一人一人にあった自分らしいライフスタイルのデザインをお手伝いいたします。ケン・コーポレーションの担当営業員のサポートのもと、ご提案プランを作成するために必要なお部屋の情報や搬入経路の確認を行っておりますので、お気軽にご相談ください。


ご満足いただき確定したプランをもとにご契約し、納品までのスケジュール管理などご要望に添って調整します。納品は専任配送スタッフが搬入から設置までスムーズに行います。
納品後は専門スタッフによる修理や補償といったメンテナンスのほか、自社工場でのソファや椅子の張替えにも対応しており、安心して長くお使いいただけます。
取材協力
株式会社カッシーナ・イクスシー
イタリアのモダン家具のリーディングブランドとして世界中に知られている Cassina〈カッシーナ〉と、オリジナルブランドのIXC〈イクスシー〉、セレクトブランドのLEMA〈レマ〉やCECCOTTI COLLEZIONI〈チェコッティ・コレツィオーニ〉など、家具だけにとどまらず、アートや雑貨に至るまで、生活空間を構成する幅広いアイテムをご用意しております。
