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TokyoRentコラム

Vol.12 TokyoRent的デザイナーズマンションとは? 2006/08/21

1997、98年くらいから一般化し始めたデザイナーズマンションなる言葉。いまや、賃貸の枠を超えて、分譲マンション、一戸建てにまで使われるようになっていますが、その定義はいまひとつ不明確。そこで、ここではTokyoRent的デザイナーズマンションとは何かを明確にしてみようと思います。

建築家のこだわりが形になった住まい、それがデザイナーズマンション

メゾネット(2層)、トリプレット(3層)など、開放的な空間が特徴的な物件も目につく。こちらはWalk赤坂のメゾネットタイプ

デザイナーズマンションと聞くと、コンクリート打ちっ放しの壁にフローリングの床とらせん階段といったイメージを抱く方も多いかもしれません。しかし、デザイナーズマンションという言葉は、そうした見た目を指しているわけではありません。

1998年当時、今、私たちがデザイナーズマンションと呼んでいるような物件が登場し始めた頃、雑誌を始めとするマスコミでは、デザインマンションとデザイナーズマンションという言葉が混在していました。どちらを使うべきか、議論をしたのを覚えています。その結果、デザイナーズという言葉が残ったのは、建物はすべからくデザインされる、だからデザインというだけでは不足、それ以上に作り手である建築家、デザイナーの意図やこだわりが反映されたものを評価しようではないか、そんな思いからです。

つまり、デザイナーズマンションとは、効率や採算から作られた住まいではなく、どのような人に、どのような住まいをという、建築家の意図が明確に反映された住まいという意味。コンクリート打ちっ放しであればいいというものではないのです。

表参道ヒルズゼルコバテラスのリビング。一部、奥まった主寝室を除いては、どの部屋からもケヤキ並木が望める

たとえば、日本を代表する建築家の一人、安藤忠雄さんが手がけた表参道ヒルズゼルコバテラス。室内はコンクリート打ちっ放しではありませんし、間取り図を見ただけでは、どこが他と違うのかは分かりません。しかし、現地に行って、部屋から外を眺めると、安藤さんは、この場所、つまり表参道に住むということをデザインしたということが分かります。額縁のようにとられた大きな窓は表参道の象徴であるケヤキ並木を取り込み、室内にはここにしかない風景があります。無機質なコンクリートの向こうに、新緑の、紅葉の、雨に濡れるケヤキのある眺めは、安藤さんのイメージする表参道での暮らし。建築家の思いは明確です。

TokyoRent的デザイナーズマンションの条件(1)住みやすさへのこだわり

ハイカロリーバーナー付きコンロや、オーブン、食器洗浄器(一部タイプ)などを備え、機能性十分なWalk赤坂のキッチン

建築家のこだわりや思いのこもった、美しく暮らせる空間であることに加え、住まいの基本、住みやすさへのこだわりも必要です。最低限、必要なのは収納と設備。かつてのデザイナーズマンションには収納がほとんどない、コーヒーカップしか洗えないなどという、使いにくいものもありましたが、今は論外。特に都心部の物件であれば、セキュリティも含め、最新設備が導入されていることを標準と考えたいものです。

また、家事や生活の動線、ユニバーサルデザインなど、使いやすさへの配慮も求めたいところ。機械や各種の工業製品同様、使いやすい、高機能なものは、美しくもあるはずなのです。

TokyoRent的デザイナーズマンションの条件(2)空間の豊かさへのこだわり

大きな窓、天井に埋め込まれて目立たないエアコン、広がりを感じる照明など、広さを演出するための工夫が随所に。東麻布アパートメントのStudioタイプ

建築とは、空間をデザインするものですが、デザインするためには一定以上のボリュームのある空間が必要です。住居でいえば、まず、専有面積が挙げられますが、もちろん単に広ければいいというだけではありません。天井の高さや窓の大きさなど、空間を豊かにする要素はさまざま。専有面積で言えば、一人暮らしでも30㎡ほどは欲しいものですが、そこまでの広さがなくても、他の要素を加えることで、空間は演出できます。

また、そこにしかない空間が作りだされていることも大事なポイントです。前出の表参道ヒルズゼルコバテラスのように、その場を生かすデザインは基本中の基本。さらに、高層階ならではの眺望を生かしたビューバスや屋上テラスのような要素も挙げられます。

TokyoRent的デザイナーズマンションの条件(3)上質へのこだわり

テレンス・コンラン卿監修によるフォレストテラス松涛。「自然素材を使った、優しい空間」がテーマとなっている

頭上から、横からのシャワーが一度に楽しめる東麻布アパートメントのバスルーム。水まわりの質感はくつろぎの深さにつながる

どんなにすばらしいデザインの、ゆったりした部屋でも室内の内装や仕上げがチープでは、豊かな気持ちにはなれません。特に気にしたいのは床、壁、ドアなど、室内で大きな面積を占める部分。ぺらぺらのフローリングや、薄っぺらな音を立てるドアでは落ちつけません。

また、くつろぎの場である、水まわりに上質な素材が使われていることも大事。その意識がシャワーヘッドや蛇口といった細かいものにまで満ちている物件なら、美しさと使い勝手が両立しているはずです。

デザイナーズマンションと聞くと、見た目に関心がいきがちですが、それでは住まいの本質を見失います。工芸品や美術品であれば、そこに機能は求められません。飾って美しければ、それでいいのです。しかし、住まいは、その中で営まれる暮らしのためにあるもの。美しいだけではなく、そこに住む人の暮らしをさまざまな面から支えるものでなくてはなりません。本当の意味でのデザイナーズマンションとは、その両立がなされている物件。ここでは、そう定義付けたいと思います。

今回ご紹介した物件
Walk赤坂
住所:東京都港区赤坂6 交通:千代田線 「赤坂」駅 徒歩6分 竣工:2004年11月
赤坂徒歩6分の高級デザイナーズマンション。大人の知的好奇心を刺激するアートやカルチャー、一流を味わうグルメ、ショッピングも日常。24時間眠ることのない都心をフィールドに抱き、都心に住まうことの本質的な楽しさを追い求める方々に、暮らしのクオリティーを高めるプレミアムステージをお届けします。
表参道ヒルズゼルコバテラス
住所:東京都渋谷区神宮前4 交通:千代田線 「表参道」駅 徒歩2分  竣工:2006年1月
都市に住むというライフスタイルを一番いいカタチで実現できるよう、安藤忠雄が設計を手掛けました。打放しのコンクリートとガラスとのコントラスト、豆砂利あらいだしの床など、そのデザインはシンプルですが、実際に生活すると、周囲の豊かな緑や何気ない色彩や曲線を受け入れ、豊かな表情を持つデザイナーズマンションです。
東麻布アパートメント
住所:東京都港区東麻布1 交通:大江戸線「赤羽橋」駅 徒歩3分  竣工:2005年12月
東麻布商店街が近く、麻布十番へも歩ける住み心地のいい立地。東京タワーを目の前に、都心の静寂と賑わいをここで手にするスタイリッシュ&モダンな高級デザイナーズマンション。KEN企画物件。
中川寛子(なかがわひろこ)
借りる、買う、貸す、建てるなど、住まいに関する雑誌、書籍、インターネットなどの編集に携わること20数年。
長らく表参道に暮らし、都心居住の快適さを身をもって実感している。All About「住みやすい街選び(首都圏)」ガイド。

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