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Vol.20 低層マンション、タワーマンションの違いは? 2007/04/20

マンションは規模や階数などによって住み心地に差が出ます。代表的なものは住居専用の地域に建てられる低層マンションと、20階以上の、いわゆるタワーマンション。それぞれの特徴、違いを探ってみましょう。

最大の差は用途地域、低層マンションは住居専用地域に立地する

都市計画法では住宅と工場が混在するような事態を避けるため、土地ごとに、その土地に建てられる建物の規模、高さなどを指定しています。これを用途地域と呼び、分類は12に及んでいますが、低層マンションタワーマンションの最大の差は、この用途地域が違うこと。住居を中心とした、住居専用地域に立地する低層マンションと、それ以外の用途地域(工業地域を除く)に立地するタワーマンションは、おのずと建物の規模、高さなどに差が出てくるので、周辺環境はじめ、それぞれの住まいに与える影響にも当然違いが生じてきます。ただし、低層マンションタワーマンションという名称に明確な定義はなく、一般に、低層マンションは3階から10階未満を指すことが多く、タワーマンションは20階以上のタワー状のもの、また60m以上は超高層マンションなどと定義されています。

住居系用途地域一覧
用途地域建てられるもの
第一種低層住居専用地域 低層住宅のための地域。ごく小規模な住居兼用店舗、小中学校、診療所は建築可能。高さ制限は10mあるいは12m
第ニ種低層住居専用地域 低層住宅のための地域。第一種に加え、コンビニなどの小規模店舗も立地する、高さ制限は10mあるいは12m
第一種中高層住居専用地域 中高層住宅のための地域。中規模な公共住宅、病院、大学と中規模店舗が建設可能。高さ制限は土地による
第ニ種中高層住居専用地域 第一種に加え、小規模のスーパーや広めの店舗、事務所なども建設可能。高さ制限は一種同様
第一種住居地域 住居の環境を保護する地域。一定規模の店舗、事務所、ホテルに加え、ごく小規模の工場も建設可能
第二種住居地域 第一種に加え、パチンコ店、カラオケボックスなども建設可能
準住居地域 住居と自動車関連施設などが調和した環境を保護するための地域。小規模の映画館、車庫・倉庫なども建てられる
  • 主な要件のみをピックアップ
  • 同じ用途地域内でも容積率、建ぺい率(土地に対してどの程度の建物を建ててよいかなどの指標)が異なると、建てられる建物にも違いがある

低層マンションの魅力は落ち着いた住環境に、戸建感覚

レジディア御殿山徳川家の御殿として使われたことが地名の由来という歴史の地、品川区御殿山は高台に広壮な一戸建ての並ぶ、いかにも第一種低層住居専用地域らしいエリア

さて、住居専用の地域に立地する最大のメリットは落ち着いた住環境です。たとえば、低層住宅専用地域では小中学校のほかは、150m2までの店舗(第一種ではコンビニも不可)しか建ちませんから、騒音などに悩まされる可能性は極めて少なくなります。交通量も少ないので、子どものいる家庭には安全な場所と言えるかもしれません。一戸建ての多い、お屋敷街に立地する場合には、周囲の雰囲気に合わせた趣、重厚感のある建物も魅力のひとつです。

ガーデン碑文谷桜並木の美しい街、碑文谷は目黒通りから少し入った、いまだに筍が顔を出す目黒区立すずめのお宿公園に代表される、自然の豊富さが魅力のエリア。第一種低層住居専用地域

また、戸建感覚も大きなポイント。たとえば、ガーデン碑文谷ではエントランスを入ると緑の美しい中庭が広がり、開放的でほっとする雰囲気があります。これは、ホテルのような、タワーマンションには得がたい感覚です。また、御殿山ハウスのように、144戸に対して8基のエレベーターを設置、プライバシーを重視した作りになっている物件もあります。車好きには、比較的、地下の平置き駐車場がある物件が多いのも、うれしい点でしょう。

反面、立地によっては外からの視線が気になることがあるかもしれません。規模が小さいことから、共用施設が少なく、管理も夜間は有人ではなく、機械管理が中心になる点も注意したいポイントです。

大規模なタワーマンションにはスケールメリットも多数

プライムスクェアシティ恵比寿駅から徒歩5分、駒沢通りと明治通りが交差する渋谷橋交差点近くに立地。敷地内にはスポーツクラブやレストランなどもあり、利便性は高い

一方、タワーマンションは大きな建物が建てられる、商業地域から準工業地域までの、本来は住居が中心でなかった地域に立地します。当然、住環境としては静けさには欠けますが、その分、足回りのいい、商業施設なども揃った地域が中心。利便性を重視する人向きです。

また、眺望がいいことはもちろん、規模が大きいことから、ラウンジやカフェ、AVルームなどといった共用施設が充実していたり、24時間の有人管理が可能になるなどの、スケールメリットも見逃せません。地域のランドマークとして、ステータスがある点も、無形ではありますが、メリットといえるでしょう。

反面、外に出るのに時間がかかる、多くの人が住んでいるので建物内で人と会うことが多い、などのデメリットも。その場合は、ラ・トゥールシリーズなど、オフィスの高層階に住居が付置された(※)、比較的戸数の少ないタワーマンションというのも見逃せないでしょう。

それから、最近では、賃貸専用のタワーマンションが増加、借りやすくなっている点もメリットのひとつです。しかも、芝浦アイランドエアタワーなどでは、眺望が楽しめる高さにシングル向きのステューディオタイプや1LDKといった間取の部屋があり、価格的にもシングルにも手が届く状況になっています。

  • 住宅付置義務制度といい、都内各区の建築指導要綱などにおいて、一定規模以上のビルの建設の際は、併せて住宅を建設するよう義務づけられている

自分たちの暮らしに向いているのはどっち?

ラ・トゥール三田43階建ての、32階以上の109戸のみが住戸。規模は小さいものの、24時間セキュリティに、フロントサービス、フィットネスルームなど、管理、サービスなどが充実

さて、ここまで、低層マンションタワーマンションの特徴、違いを見てきました。どちらにも一長一短があります。さらに、物件によって差が出ますから、一概にどちらがいいと言うのはナンセンス。

それよりも、環境と利便性のどちらを優先するのか、一戸建て感覚とホテルライクのどちらに共感を覚えるのか、そのあたりから、実際の物件を幅広く見学して、自分たちの暮らしにあった物件を探していただきたいものです。

【文・構成】
中川寛子(なかがわひろこ)
借りる、買う、貸す、建てるなど、住まいに関する雑誌、書籍、インターネットなどの編集に携わること20数年。長らく表参道に暮らし、都心居住の快適さを身をもって実感している。All About「住みやすい街選び(首都圏)」ガイド。

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