自由が丘駅前開発「JIYUGAOKA MUSE SQUARE」 街の魅力を磨く、新しい住まいを生む計画全貌を鹿島建設に聞く
長く愛されてきた街、自由が丘の駅前が大きく変わります。これまでになかった規模の開発「JIYUGAOKA MUSE SQUARE(自由が丘ミューズスクエア)」は街を、暮らしをどう変えるのでしょう。全体計画と気になるレジデンス「JIYUGAOKA MUSE SQUARE THE RESIDENCE(自由が丘ミューズスクエアザレジデンス)」の概要について、鹿島建設株式会社と三菱地所リアルエステートサービス株式会社に聞いてきました。

新しい自由が丘の顔、
駅前開発の全体概要、コンセプトとは?
東急東横線・同大井町線自由が丘駅から徒歩1分。駅のすぐ前に誕生する「JIYUGAOKA MUSE SQUARE(以下、自由が丘ミューズスクエア)」は自由が丘駅前広場のシンボルである女神像から名付けられた新しい自由が丘の顔。周辺エリアのいたるところから望むことができるこれからの自由が丘のランドマークです。
元々の敷地には十字状に細街路が通り、20棟ほどの老朽化した建物が並んでいましたが、それらをひとつの区画にまとめ、合わせて周囲の道路事情を改善。街の回遊性を維持する形で新たな建物が計画されました。目的は街の安全性、利便性、魅力に寄与すること。
「自由が丘は1920年代、車社会の到来以前に、鉄道の開通をきっかけに発展した街です。そのため、駅周辺の街路は細く、バス通りですら道幅が狭くて車の往来、人とのすれ違いに交通整理の人員が必要だったほど。そうした問題を解決し、街の回遊性と魅力を高める建物として意図されました」と当住宅の企画を担当した鹿島建設株式会社開発事業本部事業部の丸茂嶺介課長。

具体的には東急東横線と並行して走る通称女神通り(特別区道H100号線)、敷地の西側を走るバス通り、通称カトレア通り(補助127号線)に面した敷地を4mずつセットバックさせることで歩道と植栽を整備、交通の安全性と歩行空間の快適性を高めました。
また、女神通り、カトレア通りと直交するすずかけ通り(補助46号線)を歩行空間含めて7m拡幅し、さらに女神通りと交差する角には街角広場を設け、背後に広がるサンセットアレイと呼ばれる商業エリアなどへのアクセスにも配慮しました。歩いて楽しい自由が丘の魅力をアップするような建物というわけです。
建物1階には南北に貫通通路、東西に通路を設けることで、以前と同じように東西南北への移動を妨げません。その1階はもちろん、地上15階、地下3階という建物の地下1階から5階までは商業施設です。
ここには自由が丘といえば思い出す人の多い名店「自由が丘 モンブラン」や「自由が丘 一誠堂」、「そば処 自由が丘 薮伊豆」などを中心に59店舗が入ります。地下にはこれまで自由が丘駅近くに少なかった駐車場が設置され、買い物に集まる方々には喜ばれそうです。
商業施設では5階が子どもを対象にした学習塾、各種教室や小児科などが揃う「こどもでぱーと 自由が丘」と名付けられたフロアになっているのが珍しいところです。
そして7階以上がレジデンスになります。その魅力については最後にまとめてお伝えすることとし、続いてはこの建物に込められた地域の人達の想いをもう少し深掘りしていきましょう。
地域の人達のより良い街へという想いが
新しい建物、住まいに結実
開発が多くの人の目に付くようになったのは最近のことですが、計画自体はかなり以前から進められてきました。きっかけは地元の人達の危機感です。
「住みたい街としてトップ3に入っていた頃からするとトップ10外になってしまうなど、地域の人々の中にも人気が低迷していることを感じる方もいて、そこから街をどうしていこうかと検討が始まったと聞いています」(丸茂課長)
駅周辺の街路、街区の制約から自由が丘は長らく変わらない街並みが愛されてきましたが、周辺ではさまざまな変化がありました。東急東横線は2005年に国土交通省から「特定都市鉄道整備事業計画」の認定を受け、2013年3月から東京メトロ副都心線と相互直通運転を開始。新宿や池袋などとダイレクトに繋がることになりました。その結果、自由が丘はこれまで並び称されてきた代官山や下北沢、二子玉川、武蔵小杉などとは異なる、より広範な地域間競争を意識せざるを得なくなってきました。
周辺でも二子玉川、武蔵小杉などが2000年代以降変化を始めており、住宅に加え、大規模商業施設も増加。人気を集めるようにもなっています。


そうした都市間競争を意識、自由が丘では2002年に地域の12の商店街が加盟する自由が丘商店街振興組合が主体となってまちづくり会社を設立。2016年6月には目黒区から都市再生特別措置法にもとづく都市再生推進法人に指定されるなど、区と連携しながら街づくりに取り組んできました。その第一弾の成果が自由が丘ミューズスクエアです。
「自由が丘ミューズスクエア開発の発端は駅前広場に面した老朽化が気になる店舗の建替え計画でした。最初は1棟だけで建替えようとしたところ、1棟だけでの建替えは至難ということが分かりました。加えて都市計画決定されているものの、進捗のない都市計画道路も隣接しています。
そこで、続いて周囲の建物も含めた共同建替えが検討され、さらにその計画が隣接するブロックに広がり、区画全体での再開発という計画に発展しました。他ではあまり見ない、地域主導の、地域のための再開発ということです」(丸茂課長)
そのため、住宅も一般的な再開発のように分譲マンションにはせず、地権者分を除くほぼ全戸が賃貸ということに。地域の人達が建物を保持、地域を大事にし続けようという意図です。そこには建物というハードを更新するだけでなく、新しい入居者と街のネットワークというソフトも含めて地域を更新、街の魅力を再度磨き上げようという思いがあります。

これまでの自由が丘にはなかったレジデンスには
ここにしかない風景、利便性も
では、「JIYUGAOKA MUSE SQUARE THE RESIDENCE(以下、自由が丘ミューズスクエアザレジデンス)」はどのような住宅になっているのでしょう。まずは建物全体や共用部を見ていきましょう。エントランスは女神通り沿いにあり、そこからエレベーターで7階へ。このフロアは共用スペースとなっており、8~15階が専有スペースです。
エレベーターを降りたロビーの右手は全面が窓になっており、そこからは自由が丘の街並みが望めます。これまで自由が丘駅周辺にはほとんど高い建物が無かったため、7階といえども眺望は開放的。ここに住む人と訪れる人だけが見られる風景です。
窓と反対側にはコンシェルジュデスクが設置されており、朝から夜まで2人のスタッフが交互にサービスを提供します。これも自由が丘ではこれまで無かったサービスのひとつかもしれません。
その先に進むと訪れる人を迎えるラウンジがあり、その奥にはゲストルーム、ジム、パーティールームがあります。共用部にはザ・コンランショップの家具が置かれ、個人作家の作品も随所に置かれるそうでデザイン性の高い空間になりそうです。




「住戸は1LDKから3LDKまでが揃いますが、メインは2LDKのファミリーを想定したプランが多く、家族単位で集まれるようなパーティールーム、入居者を訪れたご親族が利用できるゲストルームを用意しました。賃貸住宅でのゲストルームは珍しいのではないでしょうか。また、高額賃貸ではジムは必須。眼下を望みながら体を動かすことができるように設えました」と住戸部分のプランニングを担当した三菱地所リアルエステートサービス株式会社賃貸事業グループ住宅受託営業部の飯嶋卓弥課長。

共用部ではないものの、地下1階に駐輪場があるため、住戸のエレベーターは地下1階に直通。そのため、地下1階のスーパーマーケット「明治屋 自由が丘ストアー」に直行できるのもうれしいところ。
「建物内にスーパーマーケットがある便利さは得難いでしょう。また、5階には小児科も入るのでファミリーには安心です」(飯嶋課長)
バリエーション、気遣いのある住戸に高品質な設備・仕様
続いては住戸です。
「当初は100㎡以上等の広い住戸を中心にしたプランを想定していましたが、街の魅力を再発信していくという再開発の狙いも意識し、新しい入居者層を呼び込むべく、1LDKから3LDKまで、単身者からカップル、ファミリーという幅広い層に向けた間取りを作る提案を行いました。
また、賃貸としては珍しく、アクティブシニアのご入居も、当初よりリーシングのターゲット層として想定していました。このエリアでは駅近くに新しい物件が少なく、そこに自由が丘ミューズスクエアができることで近隣の田園調布や奥沢にお住いのシニア層が利便性を求めて駅前に引っ越し。地域の中で世代交代、住宅の循環が起きることを意図しています。実際、そうした方々からの問い合わせもすでに頂いており、ニーズがあることを実感しています」(飯嶋課長)
間取りにバリエーションがあるだけでなく、作りにもバリエーションがあります。
「同じ間取り表記でも住戸によって作りが違うのが特徴で、1LDKでは同じ間取りでも2パターン用意し、2LDKでは2方向から通り抜けられるクロゼットのある回遊性の高い間取りも。また、建物形状によって一部に非整形となる住戸がありますが、それらを逆手にとり、角の大型住戸を配置することで、開放感のある間取りを実現しました」(飯嶋課長)

設備にも分譲物件以上のクオリティを追求しています。
「どの部屋にもカップボード、床暖房を設置。照明は調光、調色ができるものにしてあり、1LDKを含むすべての部屋に食洗機を用意しました」(飯嶋課長)
他の賃貸住宅にはあまり見ない設備もあります。それが各戸専用の玄関脇にある宅配ボックスとトランクルーム。
「親子が手を繋いで歩けるほど内廊下は広く取ってありますが、それでも廊下にモノを置いてしまい、全体の雰囲気を壊さないようにと宅配ボックス、トランクルームを用意しました。宅配ボックスは各戸上下に2個用意しています」と丸茂課長。整然とした佇まいを守るために配慮というわけです。
最上階の15階には104.06㎡から146.37㎡、3LDKのプレミアム住戸があります。このフロアは内装や設備その他細かい部分に至るまでこだわり仕様となっており、ドアを開けた瞬間に分かるとか。
「バスルームがタイル貼りになっていたり、水栓はタッチレスになっていたりと随所に違いがあり、このあたりは是非、現地にてご覧いただければと思います」(飯嶋課長)
自由が丘駅周辺ではこの計画に続き、自由が丘ミューズスクエアとカトレア通りを挟んだ自由が丘駅前地区、それより大井町線寄りの自由が丘駅前西及び北地区、東横線を挟んだ自由が丘東地区などでも開発への機運が盛り上がりつつあります。今も、これからも自由が丘は注目を集める街と言えるでしょう。

(左)三菱地所リアルエステートサービス株式会社 賃貸事業グループ 住宅受託営業部 飯嶋卓弥課長
取材協力
鹿島建設株式会社
三菱地所リアルエステートサービス株式会社
