2000年代の住まいの駐車場事情をチェック

バブル時に比べれば探しやすくなったとはいえ、都心の駐車場付き物件はそれほど一般的ではありません。その、限られた駐車場付き物件を上手に探すために知っておきたい情報をまとめてみました。

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駐車場の割合は多くても戸数の半分以下、賃料40万円以上なら比較的借りやすい

まず、知っておいていただきたいのは、全戸数に対しての駐車場の割合です。物件によって異なりますが、都心の大規模型やタワー型の賃貸マンションでは戸数の半分以下というところも多く、賃料が20万円台中心の物件では駐車場自体が用意されていないことも少なくありません。

また、当然、入居者全員が借りられるわけではなく、一般には賃料が高額な部屋から順に割り当てられます。建物内に20万円の部屋と50万円の部屋がある場合には、50万円の部屋のほうが、駐車場を確保できる可能性が高いというわけです。よって、特に都心中心部での20万台物件では、駐車場確保はかなり難しいことを覚悟しておかなくてはいけません。逆に、確保しやすくなる目安は40万円以上。高額物件であれば、来客用の駐車場が用意されているケースもあります。

また、車好きの中には2台、3台と複数台分を借りたいという方もいらっしゃるでしょうが、これもまた至難。たまたま空いていたなどで、借りられるケースはあるものの、他に借りたい人が出た場合には返還する旨の特約が付加されることが多いようです。

碑文谷ガーデン
物件によっては専有部と駐車場が一体となったものもある

設置される場所と入庫方法は物件次第、都心では地下の機械式が主流

次に駐車場の形式ですが、設置される場所としては次の3種類があります。

  • (1)敷地内で建物外
  • (2)建物の1階部分
  • (3)建物の地下

そのうち、(1)(2)はよほど大きな敷地でない限り、台数が少ないことが多く、数台から10台前後といったところ。駐車場の設置割合が比較的高く、借りやすいのは(3)の地下駐車場で、人気が高いのもこのタイプです。続いて人気があるのは(2)で、雨・日差しに加え、防犯面も心配な(1)はやはりいまひとつのようです。

駐車する方法としては、大きくわけて平面式(平置きと言われることもあります)と機械式の2種類があります。具体的には敷地内の建物外で平面式、建物の地下で機械式といった具合です。

ただ、都心中心部では平面式はほとんどなく、機械式8に対して、平面式が2程度の割合。中心部以外でも半々といったところです。入出庫に時間がかからない、サイズにあまり制限がないことから平面式を希望する人が多いものの、都心で借りるなら機械式と思っておいたほうがいいかもしれません。

敷地内で建物の外に設置された平置きの駐車場。最も駐車しやすいタイプだが、屋根がないことが多い
敷地内で建物の外にある機械式駐車場。建物外であれば、最上段は車高制限が緩和される場合もある
建物の1階にある平置きの駐車場。車を頻繁に利用する場合には便利なタイプ
人気の高い地下の平置き駐車場。出入り口が制限されるので、監視箇所を絞りやすく、安全性が高い
地下にある上下に昇降する機械式駐車場。車の前にゲートが用意されることが多く、安全性はより高まる

機械式のメリットは雨や日差しと無縁で、盗難、いたずらされにくいこと

都心では圧倒的な機械式ですが、これにはいろいろなタイプがあります。単純なものは2段で上下に昇降するだけですが、複雑なものになると、地下の2層、3層を上下左右に移動させて収納する場合も。スペースによってはターンテーブルが併設している場合も多くあります。当然、システムによって入出庫にかかる時間や利用できるサイズも異なりますから、物件ごとに確認が必要です。また、かつては機械式=RV車・ハイルーフ車不可と思われていましたが、最近では利用できるタイプもあります。逆に、フェラーリなど車高の低い車は駐車できないこともあります。

機械式には利用できる車のサイズに制限がある、入出庫に時間がかかるといったデメリットはあるものの、たいていが屋根付きなので雨や日差しを防げますし、契約者しか操作できないので、防犯面でも安心。盗難やいたずらの可能性を考えれば、機械式のほうが安全というわけです。

防犯面ではシャッター付きがベスト。出入り口には防犯カメラも必須

車上狙いや盗難を考えると、駐車場の防犯体制も大事なポイント。ベストは入り口に専用のキーなどを使ったシャッターが設置されているタイプで、最近の地下駐車場では設置されている物件が増えています。出入り口には、防犯カメラがあるかどうかも重要です。また、建物1階や建物外にある場合には、夜間、センサーで照明が付くようになっていると使いやすく、防犯的にも◎です。

都心中心部の駐車場料金は5万円~、敷金・礼金は不要なケースが大半

さて、金銭面も気になるところ。当然ですが、都心ほど高くなっており、平均相場は、港区、千代田区では5万5000円、中央区、渋谷区が5万円。少し離れて、文京区が4万5000円、新宿区、品川区、目黒区で4万円、世田谷区、大田区では3万円前後となっています。(2006年9月 ケン・コーポレーション調べ)

また契約に当たっての礼金、敷金は不要な物件が多く、その場合、必要なのは仲介手数料のみ。また、敷金はあったとしても退去時に全額返金されるのが一般的です。

車検証、現地チェックで使いやすい駐車場選びを

最後に駐車場付き物件の探し方、チェックすべき点をまとめておきましょう。

  • 仲介会社に、最初から駐車場付きであることを条件として挙げておく
    できれば、車種、サイズなどの詳細も伝えておくと、効率的に探してもらえます。当然、予算も駐車場料金を含めた額で設定しましょう。
  • 車検証のサイズが駐車場の制限内に収まっているかを確認する
    実際に入れてみると、制限以上のサイズでも入ってしまうことがあります。しかし、その場合、機械を故障させたり、他車を傷つけてしまう可能性があり、そうした事態の補償が問題になります。それを防ぐため、必ず、車検証を確認しましょう。
  • 実際に自分の車を停めてみる
    書類上のサイズは合致していても、ミラーが畳めない、キャリアが邪魔になるなどで、駐車できないことがあります。また、車高の低いスポーツカーが地下駐車場にはいるスロープでこすってしまったり、隣がスペースぎりぎりの大型車で入れにくいなどといったことも。契約前には実際に自分が借りることになる場所に停めてみて、使いやすさなども含めたチェックをしましょう

車好きなら、愛車のため、駐車場も住戸同様、きっちりチェック。楽しいカーライフを送りたいものです。

「北の丸スクエア ザ・テラス」の駐車場をチェック

操作がラクで、防犯面にも気配りがあるという最新式駐車場。実際にどんなものなのかを「北の丸スクエア ザ・テラス」で経験してみました。

入り口
駐車場は地下。スロープを降りて行くとゲート、シャッターがあり、契約者専用のキーがなければ開かない仕組み。防災センターの監視カメラもあり、不審な車、人はともに入れません。

地下駐車場全景
平面式駐車場と機械式駐車場が混在。機械式駐車場を利用するためにはターンテーブルの正面、扉の向こうに入庫します。

扉前
ターンテーブル前にとりあえず駐車。コントロールパネルを専用キーで開け、暗証番号を入れて操作します。手順としては、ターンテーブルを回して入庫、定位置に停めたら、降りて扉を閉めるということになります。サイズの小さい車であれば、ターンテーブルを使わず、直接入庫することも可能です。

パネル
入庫、出庫に必要な時間も表示されます。入庫自体は平面式とさして変わらず、1分~2分。バックで入れなくてはいけない平面式に比べれば、ラクかもしれません。出庫も、早ければ3,4分、かかっても5~10分とのこと。多少の時間は必要ですが、最新式は意外にスピーディーです。

入庫
入出庫時の誤操作を防ぐため、車の位置を指示するセンサーや手を離すとすぐにストップする操作ボタンなど、各種安全策が講じられており、使い方が分かれば、誰でも安全に利用できます。

住居への入り口
地下駐車場から建物内に入るためには住居の鍵が必要。もし、不審者が地下駐車場まで入り込めたとしても、入れるのはそこまで。建物内には入れない仕組みです。

出口
出口にも同様にゲートがあり、入り口同様のシステムが導入されています。夜間・土日祝日にはシャッターも閉まり、セキュリティが強化されます。

取材物件

【取材物件】北の丸スクエア ザ・テラス

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